第51章 病気なのかそれとも頭に水が入ったのか

「栞」

長谷川栞は振り返り、少し驚いたように石渡恭平を見た。

「偶然だね。恭平もご飯?」

「うん。客とここで待ち合わせなんだ」

二人は並んで歩き出し、石渡恭平が探るように尋ねる。

「栞、最近どう? 体調とか」

「私は……瑠奈と来てる」

その一言に、石渡の目がわずかに揺れた。けれどすぐに笑みを作り、何気ない調子で近況をいくつか聞いてくる。

笑い声を交えながら、二人はレストランの中へ。

車内からそれを見ていた中野航平は、冷えた目で石渡の背中を追い――次の瞬間、車のドアを「バン!」と強く閉めた。

飛び出して問い詰めることは、結局しなかった。

ただ友人同士で食事をするだけ。そう...

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